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上棟が完了して下葺き材(ルーフィング)までが完了している状態です
これから、屋根工事として立平葺きを施工するのですが、仕上げ材に隠れてしまう
ルーフィングの内容となっております
屋根工事の要!ルーフィング(下葺き材)の重要性とは|雨漏りを防ぐ防水の要
はじめに:美しい屋根の下に隠れた「本当の守り」
屋根工事において、多くのお客様が注目されるのは瓦やスレート、金属屋根材といった「目に見える部分」です。しかし、屋根工事のプロフェッショナルとして私たちが最も重視しているのが、実は目に見えない部分—**ルーフィング(下葺き材)**なのです。
美しい屋根材の下で、24時間365日、雨水の侵入から大切な住まいを守り続けているルーフィング。その重要性は、屋根工事全体の成否を左右すると言っても過言ではありません。今回は、屋根材を施工する前の段階、ルーフィング敷き込みが完了した状態で、改めてこの「縁の下の力持ち」の役割と重要性について、詳しく解説いたします。
ルーフィング(下葺き材)とは何か?
ルーフィングの定義と役割
ルーフィング(下葺き材)とは、野地板の上に敷き込む防水シートのことを指します。英語の「roofing」に由来し、屋根工事において第一次防水層として機能する極めて重要な建材です。
屋根材が「雨水を受け流す第一の盾」だとすれば、ルーフィングは「万が一を防ぐ最後の砦」。この二重防水構造こそが、日本の厳しい気象条件下でも住まいを守り続ける秘訣なのです。

ルーフィングの歴史と進化
かつての日本建築では、杉皮や茅(かや)などの天然素材が下葺き材として使用されていました。しかし、耐久性や防水性能の面で課題があったため、昭和30年代以降、アスファルトを染み込ませた「アスファルトルーフィング」が主流となりました。
現在では技術革新により、より高性能な改質アスファルトルーフィングや透湿防水ルーフィングなど、多様な製品が開発されています。それぞれの建物や地域の気候特性に応じて、最適なルーフィングを選定することが可能になっているのです。
なぜルーフィングが重要なのか?5つの理由
1. 屋根材の隙間から侵入する雨水を防ぐ
多くの方が誤解されているのですが、瓦やスレートなどの屋根材は完全防水ではありません。屋根材はあくまで「雨水を受け流す」ものであり、強風を伴う横殴りの雨や、屋根材の重なり部分、取り合い部分からは雨水が侵入する可能性があります。
特に台風やゲリラ豪雨といった極端な気象現象が増えている近年、屋根材だけでは防ぎきれない雨水の侵入リスクが高まっています。ルーフィングがしっかりと施工されていれば、こうした「想定外」の雨水侵入も確実にブロックできるのです。
2. 結露や湿気から野地板を守る
屋根裏空間では、季節や天候によって結露が発生することがあります。また、室内からの湿気が屋根裏に上がってくることもあります。
ルーフィングは雨水だけでなく、こうした内部からの湿気や結露からも野地板を保護します。野地板が湿気で腐食すれば、屋根全体の強度が低下し、大規模な補修工事が必要になってしまいます。ルーフィングは、構造材の長寿命化にも貢献しているのです。
3. 屋根材の寿命を延ばす
適切に施工されたルーフィングは、屋根材の裏側を乾燥した状態に保ちます。これにより、屋根材自体の劣化を遅らせることができます。
特に金属屋根材の場合、裏側からの湿気は錆の原因となります。また、スレート屋根材も湿気による劣化が進みやすくなります。ルーフィングによる適切な防湿・防水は、屋根材の本来の性能を最大限に引き出すことにつながるのです。
4. 雨漏りによる二次被害を防止
一度雨漏りが発生すると、その被害は屋根だけにとどまりません。天井のシミ、壁紙の剥がれ、断熱材の性能低下、電気配線の漏電リスク、そして最も深刻なのが構造材の腐食やシロアリ被害です。
雨漏り修理には、原因箇所の特定だけでも高額な費用がかかることがあります。さらに、内装の修繕や構造材の補修まで含めると、予防にかけるコストの何倍もの出費が必要になるケースも少なくありません。
品質の高いルーフィングを適切に施工することは、こうした将来的なリスクとコストを大幅に軽減する「最良の投資」と言えるでしょう。
5. 建物の資産価値を維持する
雨漏り履歴のある建物は、不動産市場において大きなマイナス評価を受けます。一方、適切な防水工事が施された屋根は、建物の資産価値を長期的に維持する重要な要素です。
将来的な売却や賃貸を考えた場合、目に見えないルーフィングへの投資こそが、建物の資産価値を守る鍵となるのです。
ルーフィングの種類と特徴
アスファルトルーフィング(標準品)
最も一般的で経済的なルーフィングです。フェルト状の基材にアスファルトを染み込ませたもので、JIS規格で定められた品質基準を満たしています。
**メリット:**コストパフォーマンスに優れる、入手しやすい **デメリット:**耐久性は15〜20年程度、破れやすい
一般的な住宅の標準仕様として広く使用されていますが、長期的な性能を考えると、より高性能な製品の選択をお勧めします。
改質アスファルトルーフィング(高性能品)
アスファルトに合成樹脂や合成ゴムを配合し、性能を向上させたルーフィングです。「ゴムアスルーフィング」とも呼ばれます。
**メリット:**耐久性30年以上、釘穴の自己シール性(粘着性による穴の閉塞)、破れにくい、温度変化に強い **デメリット:**標準品より価格が高い(ただし長期的にはコストパフォーマンス良好)
現在、当社が最も推奨しているルーフィング材で、長期的な安心を求めるお客様に最適です。
透湿防水ルーフィング
外からの水は通さず、内側からの湿気は外に逃がす「透湿性」を持ったルーフィングです。
**メリット:**結露防止、野地板の乾燥状態を維持、カビの発生抑制 **デメリット:**価格が高い、施工に専門知識が必要
高気密・高断熱住宅や、結露が発生しやすい寒冷地での使用に特に効果を発揮します。
粘着層付きルーフィング
裏面に粘着層があり、野地板に貼り付けるタイプのルーフィングです。
**メリット:**釘穴からの雨水侵入リスクがゼロ、強風時の飛散防止、施工性の向上 **デメリット:**価格が高い、気温が低いと粘着力が低下
台風の多い地域や、急勾配の屋根で特に威力を発揮します。
プロが実践するルーフィング施工のポイント
1. 重ね幅の厳守
ルーフィングの施工で最も重要なのが「重ね幅」です。水平方向は最低100mm、垂直方向(上下)は200mm以上の重ね幅を確保することが基本です。
この重ね幅が不足すると、そこから雨水が侵入してしまいます。当社では、基準値以上の重ね幅を確保し、より確実な防水性能を実現しています。
2. 水下から水上への施工
ルーフィングは必ず軒先(水下)から棟(水上)に向かって施工します。これは、雨水が流れる方向と逆に施工することで、どの部分でも上側のルーフィングが下側を覆う構造になるからです。
この基本を守らないと、せっかくのルーフィングも本来の性能を発揮できません。
3. たるみやシワの防止
ルーフィングにたるみやシワがあると、そこに雨水が溜まり、防水性能が低下します。また、風で煽られて破損するリスクも高まります。
適度なテンションをかけながら、平滑に敷き込むことが職人の技量の見せ所です。ただし、張りすぎると温度変化で破れる原因にもなるため、気温や材料特性を考慮した施工が求められます。
4. 谷部・取り合い部の丁寧な施工
屋根の谷部(二つの屋根面が交わる凹部分)や、壁との取り合い部、煙突周りなどは、特に雨水が集中しやすい箇所です。
これらの部位では、通常のルーフィングに加えて増し張りを行うなど、より慎重な防水処理が必要です。当社では、こうした要所を特に重点的にチェックしながら施工を進めています。
5. 固定方法の適切な選択
ルーフィングの固定には、主にステープル(大型ホッチキスのようなもの)やタッカー、釘などが使用されます。固定具の種類や打ち込み間隔は、ルーフィングの種類や屋根勾配、地域の気候条件によって適切に選択する必要があります。
固定が不十分だと強風で浮き上がり、過剰だと釘穴からの浸水リスクが高まるため、経験に基づいた適切な判断が求められます。
6. 気象条件への配慮
ルーフィング施工中は、野地板が完全に露出した状態です。この時に雨が降ると、野地板が濡れてしまい、その後の工程に影響を及ぼします。
そのため、天候を見極めながら計画的に施工を進めることが重要です。当社では、天気予報を確認しながら、できるだけ短期間で屋根材の施工まで完了させるようスケジュールを組んでいます。
ルーフィング敷き込み完了後のチェックポイント
現在、お客様の屋根はルーフィング敷き込みが完了し、これから屋根材を施工する段階にあります。この時点でしっかりと確認しておくべきポイントをご紹介します。

全体の仕上がり確認
- ルーフィング表面に破れや損傷がないか
- たるみやシワが発生していないか
- 全面が均一に敷き込まれているか
- 固定が適切に行われているか
重ね幅の確認
- 横方向の重なりが100mm以上確保されているか
- 縦方向の重なりが200mm以上確保されているか
- 棟部分の処理が適切か
特殊部位の確認
- 谷部の増し張りが施されているか
- 壁との取り合い部が立ち上がっているか
- 煙突や配管周りの処理が丁寧に行われているか
- 軒先や棟端の処理が適切か
今後の養生計画
屋根材施工までの間、ルーフィングが雨風や紫外線に直接さらされます。特に長期間(1週間以上)屋根材施工が遅れる場合は、養生シートでの保護を検討すべきです。
ルーフィングは防水材ですが、紫外線には弱い素材も多く、長期間露出すると劣化が進んでしまいます。
これから施工する屋根材とルーフィングの関係
ルーフィングは屋根の「保険」
これから施工する瓦やスレート、金属屋根材などは、住まいの外観を決定づける重要な要素です。しかし、その美しさや機能を長期間維持できるのは、ルーフィングがしっかりと働いているからに他なりません。
例えるなら、屋根材は「表の顔」、ルーフィングは「保険」のようなもの。何事もなければその存在に気づくことはありませんが、いざという時に住まいを守ってくれる頼もしい存在なのです。
適合性の重要性
屋根材の種類によって、適したルーフィングの種類も異なります。
- 瓦屋根:通気性を考慮し、透湿防水ルーフィングとの相性が良い
- 金属屋根:結露対策として透湿性のあるものが推奨される
- スレート屋根:改質アスファルトルーフィングが標準的
- アスファルトシングル:粘着層付きルーフィングとの組み合わせが効果的
当社では、これから施工する屋根材の特性を踏まえ、最適なルーフィングを選定・施工しています。
よくあるご質問
Q1. ルーフィングだけでどのくらいの期間、雨をしのげますか?
A. 品質の良い改質アスファルトルーフィングであれば、数ヶ月程度は問題ありません。ただし、紫外線による劣化が進むため、できるだけ早く屋根材を施工することが望ましいです。
Q2. ルーフィングのグレードを上げると、どのくらい費用が変わりますか?
A. 標準的なアスファルトルーフィングから改質アスファルトルーフィングに変更した場合、㎡あたり数百円程度のコスト増となります。しかし、耐久性が2倍近くになることを考えると、長期的にはコストパフォーマンスに優れた選択と言えます。
Q3. ルーフィングの交換時期はいつですか?
A. ルーフィング単体での交換は通常行いません。屋根材の葺き替えや、大規模な屋根リフォームの際に同時に交換するのが一般的です。適切に施工されたルーフィングは、20〜30年以上の耐久性を持ちます。
まとめ:見えないところにこそ、プロの仕事がある
屋根工事において、ルーフィング(下葺き材)は決して主役ではありません。完成後は屋根材の下に隠れ、誰の目にも触れることはないでしょう。
しかし、住まいを守るという本質的な役割において、ルーフィングは紛れもなく主役です。どれほど高品質な屋根材を使用しても、ルーフィングの施工が不適切であれば、雨漏りのリスクは大きく高まります。
逆に、ルーフィングがしっかりと施工されていれば、予期せぬ豪雨や台風、経年劣化による屋根材の小さなトラブルがあっても、住まいの内部を守り続けることができるのです。
当社では、この「見えない部分」にこそプロフェッショナルとしての責任と誇りを持って取り組んでいます。一枚一枚のルーフィングを丁寧に敷き込み、確実な防水層を構築する。その地道な作業の積み重ねが、お客様の大切な住まいを何十年にもわたって守り続ける基盤となるのです。
これから屋根材の施工に入りますが、その美しい仕上がりの下には、今回ご説明したルーフィングという「見えない守り手」が存在していることを、ぜひ覚えておいていただければ幸いです。
お問い合わせ・ご相談はお気軽に
屋根工事、屋根リフォーム、雨漏り修理など、屋根に関するご相談は当社にお任せください。経験豊富な職人が、お客様の大切な住まいを確実に守ります。
現地調査・お見積もりは無料です。些細なことでもお気軽にこちらからお問い合わせください。


